【5分で分かる!】M&Aについての超基本知識を徹底解説!
会社の経営を始めたばかりの方や、会社の売却に興味がある方で、M&Aについて基礎的な情報を知りたいという方も多いのではないでしょうか?
M&Aには専門用語や複雑な手続きが発生するため、はじめてのM&Aを知った方にとっては覚える内容が多いと感じるかもしれません。
この記事では、M&Aとはどういったことなのか、M&Aをすることで何が解決できるのかを解説します。
初心者向けの内容となっているので、M&Aを基礎から知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
M&Aとは
M&Aとは英語の「Mergers and Acquisitions」(合併と買収)の頭文字を取った略語です。
主に企業間の合併、買収を指す言葉として使われています。
企業の吸収、合併とは、企業の事業を売却したり、株式を譲渡する行為です。
売り手企業だけでなく、買い手企業にもメリットがあり、企業間におけるさまざまな課題を解決することができるため、近年中小企業間でのM&Aの件数は増加傾向にあります。
M&Aの種類とは
一口にM&Aとまとめていますが、M&Aにもいくつか種類があります。
それぞれ特徴が異なるので、違いを覚えておくと、将来ご自身がM&Aを行う時に役に立つでしょう。
ここからは、初心者でも分かるM&Aの種類について分かりやすく解説していきます。
- 株式譲渡
- 事業譲渡
- 合併
株式譲渡
株式譲渡とは、自身の会社の株式を相手企業に売る手法です。
株式を売るということは、会社そのものの経営権を相手企業へ渡すことになります。
会社の経営権が変わると、当然すべての意志決定は新しい株主が行うことになります。
元々オーナー社長だった方が、株を手放してしまった場合は、今後会社の意志決定に関わることが出来ない点は理解しておきましょう。
事業譲渡
事業譲渡とは、会社の中にある事業の一部または、すべてを他の企業に譲渡する方法です。
事業譲渡は、商品や工場などの設備や不動産に加えて人材やノウハウ、知的財産といったものまで譲渡の対象となります。
株式譲渡が会社の経営権の取得を目的とした手続きなのに対して、事業譲渡は事業の取得を目的としたM&Aの手法です。
事業譲渡は、特定の事業を切り出して売買を行うため、必要な部分を丁寧に切り出す必要があるため、比較的時間を要する手法となります。
合併
合併は2つ以上の企業が、買い手側の企業の法人格のみを残して、売り手側の企業、事業を吸収し、1つにまとまることを指す手法です。
売り手側の法人格は消滅し、会社の権利や義務をすべて合併後の会社に継承することになります。
M&Aを行う理由と解決できること
実際にM&Aを行う際、売り手と買い手はどのような目的を持って事業の売買を行うのでしょうか?
周知の通り、日本では高齢化が進行しており、高齢者が事業の廃業を考えているというケースも少なくありません。
事業の承継として、M&Aは1つの有効な手段です。
ここからは、売り手と買い手が何を求め、どんな理由でM&Aを行うのかを解説していきます。
M&Aを行う理由と解決できること3選
- 後継者問題の解決(売り手)
- 従業員の雇用(売り手)
- 事業成長(買い手)
後継者問題の解決(売り手)
現在、日本の経営者の年齢は、高齢化の影響もあり上昇傾向にあります。
高齢の経営者の中には、事業後継者を見つけられず、廃業をするか迷っているというケースも少なくありません。
後継者問題を解決する手段としてM&Aによって事業を売却することで、後継者の育成にかかるコストや時間を削減し、事業の存続も行うことができるため、M&Aが選択されるケースが複数あります。
従業員の雇用(売り手)
後継者の問題と同様、高齢の経営者が廃業を迷っている場合、従業員の雇用は大きな問題になりえます。
M&Aでは、企業が保有しているノウハウの獲得のために従業員も含めて譲り受けることを検討する場合も少なくありません。
事業を廃業するということは、企業に勤める従業員の雇用が失われることを意味するため、従業員の雇用を守るためにM&Aを行うケースも存在しています。
事業成長(買い手)
買い手企業は、新規事業への参入や、既存事業の強化のためにM&Aを行います。
新規事業への参入を検討する場合、1から事業を立ち上げるよりも会社、事業を譲り受けた方がコストの削減に繋がるケースがあるからです。
または、既存事業の成長加速のためにM&Aを行うという場合もあります。
自社が課題としている部分のノウハウ、技術、人材を取り入れ、自社事業とのシナジーを生み出すため、M&Aの実施を検討する企業も多数存在しています。
M&Aのメリットとデメリットについて
実際、M&Aにはどのようなメリット、デメリットが存在しているのでしょうか。
ここからは、売り手企業、買い手企業のそれぞれの目線でメリット、デメリットについて解説をしていきます。
- 譲渡企業(売り手)のメリット
- 譲渡企業(売り手)のデメリット
- 譲受企業(買い手)のメリット
- 譲受企業(買い手)のデメリット
譲渡企業(売り手)のメリット
健全な経営を行っている経営者の場合、M&Aを行うことでまとまったキャッシュを得られることが大きなメリットと言えるでしょう。
さらに、企業のオーナーはM&Aを行うことによって、融資における個人保証から解放され返済の重圧がなくなるという点もメリットとの1つです。
高齢の経営者や、廃業を考えている経営者においては、事業承継を目的としてM&Aを検討する方が多い傾向にあります。
このようなケースにおいて経営者は、事業の継続や従業員の雇用を守れるという点にメリットを感じることが多いです。
譲渡企業(売り手)のデメリット
売り手企業のデメリットとしては、満足の行く価格で売却が行えない、買い手が見つからないといった可能性があります。
M&Aを行う仲介会社などは企業の価値を厳しく算定します。
そのため、経営者が売却を行いたい価格と提示価格にギャップがあるケースも少なくないため、注意が必要です。
さらに、事業の売却後にも注意が必要です。
M&A成立後には、リストラが行われる可能性もゼロではありません。
リストラが行われなかったとしても、労働条件の変化や新たな環境での人間関係がうまくいかなかった場合に、売り手企業の人材が離職してしまう可能性があるという点は頭に入れておくべきでしょう。
譲受企業(買い手)のメリット
買い手にとってのメリットは事業が拡大できる点です。
M&Aを行うことで売上の拡大だけでなく、新たな分野や事業、取引先などを獲得できます。
自社で新規事業の立ち上げを行うよりも少ない労力と短い時間で事業を獲得できるという点はとても魅力的と言えるでしょう。
譲受企業(買い手)のデメリット
買い手企業のデメリットは、M&Aによる効果が期待を超えない可能性があるという点です。
その要因として、人間関係など売り手側と買い手側企業の連携がうまく進まないことにより事業の拡大が思い通りに進まないことがあります。
異なる企業で業務を行ってきた従業員たちが、企業風土や仕事の進め方を擦り合わせていく作業は簡単ではありません。
退職者が大量に発生し、優秀な人材が流出するといった事態が起こる可能性もあるため、買い手企業側が売り手企業から来た人材に対してのケアをしっかりと行う必要があると言えるでしょう。
M&Aの流れ
ここからは、M&Aの流れについて3ステップにまとめて解説を行っていきます。
- 準備段階
- 交渉段階
- 最終契約段階
準備段階
売り手から見た場合、準備段階でのゴールは、信頼のおけるM&Aの相談パートナーを見つけて企業価値の算出を行うことです。
M&Aを満足した形で負えるには、信頼できる仲介会社や売買プラットフォームを提供する企業と出会うことが必須となります。
交渉段階
交渉段階では、実際に買い手企業へアプローチをかけ、売却価格やその他の条件について合意することがゴールです。
買い手の候補となる企業と面談を行い、M&Aによって両社が達成したい目的や細かな条件面についてすり合わせを行います。
最終契約段階
最終契約段階では、両企業のトップ面談を実施し、現在の企業価値算出を入念に行い譲渡価格の決定に進み、株式や事業の譲渡を行うことがゴールです。
さまざまな条件について双方の企業が同意したら、契約を締結し株式や事業の譲渡を進めていきます。
M&Aにかかる費用
M&Aの実施においてかかる費用は、仲介会社へ支払う手数料です。
手数料は各会社によって異なるため、一概には言えませんが、売却の額に応じて手数料のパーセンテージが変動するレーマン方式という手法を用いているケースが多いとされています。
M&Aの相談先
では、実際にM&Aを行うためにはどのようなところへ相談を行えばよいのでしょうか?
ここからは、代表的なM&Aの相談先を2つ紹介していきます。
- マッチングプラットフォーム
- M&A仲介会社
マッチングプラットフォーム
1つ目はマッチングプラットフォームの利用です。
小規模から中規模の案件の取り扱いにはマッチングプラットフォームの利用が適切とされています。
M&A仲介会社と比較すると手数料が安い点が特徴で、気軽にM&Aの契約を進行できる点がメリットです。
一方で、交渉や契約後のトラブル等はそれぞれの経営者間で解決しなければならず、M&Aにおいての契約条件などに詳しくない方にとっては不向きな手法と言えます。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、大型の案件を取り扱うことが多いとされています。
各企業によって異なりますが、「着手金」「月額報酬」「成功報酬」など手数料の支払いが発生します。
はじめてM&Aを行う場合には、契約や各種条件について親身に相談ができる仲介会社を選定することが大切です。
まとめ
近年、企業間におけるM&Aの件数は増加傾向にあります。
M&Aは企業の後継者や技術の継承の問題など、社会課題を解決するためにも重要な役割を担う業務になってきていると言えるでしょう。
M&Aを検討する際には、慎重に仲介会社などの選定が必要になりますが、信頼のおけるパートナーを見付け、M&Aを成功に導きましょう。