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m&aスキーム(手法)についてわかりやすく解説|スキームを選ぶ際の注意点

M&Aスキーム

M&Aは、企業同士の買収や合併のことです。

M&Aは、会社を買収したり、ある会社の事業部門を吸収したりして会社を統合するようなイメージとなりますが、実務は定型の「スキーム(手法)」に沿って進行しています。

その際、会社の現状や期限などの制限事項を考慮して、最も適切なスキームを選ぶことが重要です。

この記事は、M&Aスキーム(手法)についてわかりやすく解説しています。

主に次の3点について理解が深まると考えています。

  • m&aスキーム(手法)とは?
  • m&aスキーム(手法)の種類
  • m&aスキーム(手法)を選ぶ際の注意点
目次

m&aスキーム(手法)とは?

最初にM&Aスキーム(手法)についての概要を解説します。

M&Aスキームとは何かをよく理解し、状況に応じた適切なスキームを選ぶことによって、M&Aが成功する確率が大幅にアップすることを知っておきましょう。

  • M&Aを実行するための手法
  • 実務でよく利用されるM&Aスキーム
  • 適切なスキーム(手法)を選択すべき

M&Aを実行するための手法

M&A取引では、売り手(譲渡側)と買い手(譲受側)の2者が公平な取引ができるように、いくつかの専門のスキーム(手法)が用意されています。

初めてのケースでも、スキームに沿ってM&A手続きを進めていけば、M&Aがスムーズに進行し、トラブルのない取引が完了できるでしょう。

M&Aスキームにはいくつかの種類がありますが、全て性質が異なり、どの種類を選ぶかによってメリット・デメリットも大きく異なることから、実務においては大変重要な問題です。

最もシンプルでわかりやすいスキームは「株式譲渡」です。

M&Aの実務では、株式譲渡の他、事業譲渡や会社分割などがよく実施されています。

実務でよく利用されるM&Aスキーム

M&Aスキームについては、よくわかるように一覧にしてまとめてご紹介しますので下記をご覧ください。

スクロールできます
企業提携資本提携(資本移動を伴う)株式譲渡(買収)
株式交換・株式移転(買収)
第三者割当増資(買収)
事業譲渡(買収)
合併(合併)
会社分割(分割)
資本参加(株式の取得や持ち合い)
合弁会社設立(広義のM&A)
業務提携業務提携(業務提携)

適切なスキーム(手法)を選択すべき

M&A取引では、対象企業を含め、ビジネスや税負担などを考慮しながら、最も適切なスキームを選択しています。

結果として、M&A取引の9割以上は、シンプルでわかりやすく、事務手続きも簡便な「株式譲渡」が選択されています。

しかし、個人と法人とでは、かかる税金の額もかなり異なることから、税負担を無視してスキームを決定することはありません。

逆に税務上のメリットが受けられるケースもありますので、必要な手続きがあれば忘れないようにしてください。

また、会社を譲渡する際に、一部の事業だけを譲渡する場合は、事業譲渡や会社分割などの別のスキームを利用しなければならないでしょう。

m&aスキーム(手法)の種類について

適切なM&Aスキームの選択が、M&Aの成功や契約成立後の統合や事業の継続に大きな影響を与えることは言うまでもないことです。

この章では、さらに具体的なM&Aスキームの種類について細かく解説していきます。

  • 狭義のM&Aスキームの種類は主に6種類
  • 広義のM&Aスキームの種類は主に3種類

狭義のM&Aスキームの種類は主に6種類

よく利用されている次の6つのM&Aスキームについて順に解説します。

  1. 株式譲渡(買収)
  2. 事業譲渡(買収)
  3. 会社分割(分割)
  4. 株式交換(買収)
  5. 合併(合併)
  6. 第三者割当増資(買収)

株式譲渡(買収)

M&Aでは最も利用機会の多いスキームです。

譲受企業に50%超の株式を譲渡して対価として現金を受け取ります。

株式取得によって経営権を取得し、資産や従業員、権利・義務などを受け継ぎます。

手続きが簡単で、譲受側にも譲渡側にもメリットがあります。

ただし、包括的に引き継ぐため、簿外債務や偶発債務が潜在的に存在するリスクがあります。

事業譲渡(買収)

譲渡企業の一部または全てを譲渡するスキームのことです。

対価には現金の他、株式が交付されることがあります。

特定の事業、資産、負債、権利、人材、技術、ブランドなども取得できます。

譲渡側は、不採算事業だけを売却でき経営権は残ります。

譲受側は、簿外債務や偶発債務を外し、必要な事業や資産だけを引き継ぐことができます。

しかし、事業ごとに個別契約を結ぶ必要があります。

会社分割(分割)

特定の事業の権利義務を別の企業へ承継するスキームです。

吸収分割と新設分割の2種類があります。

事業譲渡との違いは、包括的に事業の権利義務を承継する点です。

譲渡側は、分社化によって不採算事業を分割して譲渡して整理できます。経営資源の選択と集中ができます。

譲受側は、株式を対価にできるため、資金を必要としないM&Aも可能です。

株式交換(買収)

株式交換をして譲受側が100%子会社とするスキームです。

譲渡企業は、保有株式を譲受企業へ譲渡し、譲受企業は自社株式を交付します。

株式交換比率は、企業価値によって異なります。

株式交換は、多額の現金を必要としないスキームです。

譲渡企業は、株式売却で現金化が可能です。

譲受企業は、対価を株式や新株予約権、社債などからも選ぶことができ、柔軟に対応できます。対象企業の事業を包括的に承継できます。

合併(合併)

複数の企業を1つに統合したり、再編したりするM&Aスキームです。

吸収合併と新設合併の2つが一般的手法です。

各企業の資産や事業を一つに統合する必要がありますが、経営の効率化が進み、シナジー効果が得られます。

株式が対価となり、将来成長すれば株価も上昇し、利益を獲得できます。

被合併会社は消滅しますので、各種煩雑な整理手続きが必要です。

譲受側は、複数の企業が一つになるため、シナジー効果が期待できます。

第三者割当増資(買収)

新規で株式を発行し、第三者に株式を割り当てる資金調達方法です。

第三者と資本関係を結び、協力関係を強化して事業を発展させる狙いがあります。

譲渡側は、資金調達によって財政基盤が強化でき、信頼できる株主の元で安定した経営ができます。

譲受側は、少ない資金でも対象企業との関係が強化できます。

しかし、議決権の全てを取得できないというデメリットがあります。

広義のM&Aスキームの種類は主に3種類

次は、広義のM&Aスキームについても参考に見ていきましょう。

  1. 業務提携(業務提携)
  2. 資本参加(株式の取得や持ち合い)
  3. 合弁会社設立(広義のM&A)

業務提携(業務提携)

業務提携のうち、資本の移動を伴う業務提携を「資本業務提携」と呼びます。

単なる業務提携とは区別され、資本が移動するため、企業同士の関係が強まります。

譲渡側は、資金調達が可能となります。

譲受側は、関係強化によって相手先の技術やノウハウなどの経営資源の獲得やシナジー効果が期待できます。

資本参加(株式の取得や持ち合い)

譲渡企業の株式を取得して関係を強化します。

ただし、持ち分比率としては50%未満の株式取得に留まります。

譲渡側は、独自性を保ったままの資金調達が可能です。

譲受側は、低い株式持ち分比率でも、一定の権利を得られます。協力関係はそれほど強くないため、想定していたシナジー効果が出ないことがあります。

合弁会社設立(広義のM&A)

合弁会社は、ジョイント・ベンチャーとも呼ばれています。

このスキームでは、複数の企業が共同で会社を設立して、目的の事業を運営します。

合弁会社設立は、外資企業が日本市場に参入する時によく採用されています。

複数企業の出資によって、各企業の起業コストが低く抑えられます。

複数の企業が参加しているため、考え方の違いによって企業間トラブルが発生する恐れがあります。

m&aスキーム(手法)を選ぶ際の注意点

各種M&Aスキームには、メリットやデメリットがあります。

そのため、目的に応じた適切なM&Aスキームを選ぶことは当然ながら必要です。

また、会計や税務などの付随する問題も考慮しながら、よく検討を重ねたうえで最適なM&Aスキームを選択する必要があるでしょう。

  • M&Aの目的をはっきりさせること
  • m&aスキーム(手法)ごとのメリット・デメリットを理解すること
  • 煩雑な手続きを避けること
  • 売買金額の大小で異なるスキーム
  • 会計や税務の影響を考慮すること
  • 権利義務や契約の承継はスキームによって異なる

M&Aの目的をはっきりさせること

目的をはっきりさせることは、M&Aにおいても当然のように最重要事項です。

目的からM&Aスキームが決まるといってもいいでしょう。

また、別途重視すべき事柄があれば、それに合わせたM&Aスキームを選ぶことになるでしょう。

m&aスキーム(手法)ごとのメリット・デメリットを理解すること

こちらでは、各種M&Aスキームのメリット・デメリットを表にして簡単にまとめました。

M&Aスキームメリットデメリット
事業譲渡未認識債務を引き継がない。手続きが煩雑税額が高い
株式譲渡手続きがスピーディー許認可再取得が不要現金で精算可能M&A前後が安定未確認債務のリスク有
株式交換多額の資金が不要完全子会社化可能許認可再取得不要株式売却可能手続きに時間がかかる未認識債務のリスク有株価下落リスク
株式移転多額の資金不要M&A前後が安定許認可再取得不要長時間の手続き必要未認識債務のリスク有
吸収分割(会社分割)特定事業のみM&A保険解約不要長時間の手続き必要
新設分割(会社分割)特定事業のみM&A保険解約不要長時間の手続き必要
合併現金で精算可能長時間の手続き必要未認識債務のリスク有

煩雑な手続きを避けること

M&Aの手続きは複雑で難解です。

スケジュールが長引けば、途中で破談になる可能性もあります。

スピーディーにM&Aを進行するためにも、株式譲渡などのシンプルなスキームを選択するようにしましょう。

売買金額の大小で異なるスキーム

できるだけ高く売りたいといった売り手の希望が外せない場合は、売買金額の大きさを重視することになるでしょう。

このようなM&A取引を検討している場合は、株式譲渡、株式交換、合併などのスキームが最適です。

会計や税務の影響を考慮すること

選択したM&Aスキームによって、会計や税務にも大きな影響を与えます。

税額が大きく異なるケースでは、慎重にシミュレーションを行い、税額を抑える工夫が必要です。

例えば、適格合併は、一定の要件を満たす必要がありますが、節税効果が見込まれるため、M&Aスキームの選択に少なからず影響を与えることになるでしょう。

権利義務や契約の承継はスキームによって異なる

M&Aスキームでは、包括的に権利義務や契約を承継できる場合と、個別に取捨選択して承継できる場合とがあります。

問題となるのは、個別に事業を承継する場合です。個別に契約手続きが必要で、手続きが煩雑になります。

逆に包括的に承継する場合は、手続きは比較的簡単ですが、簿外債務や偶発債務などの潜在的なリスクまで背負ってしまう恐れがあります。

一長一短ではありますが、より自社に合った最適なM&Aスキームの選択が重要となります。

まとめ

この記事では、M&Aスキーム(手法)の概要やその種類について、できる限りわかりやすく解説してきました。

また、M&Aスキームを選ぶ際の注意点についても簡単にまとめてご紹介しました。

企業同士の買収や合併であるM&Aは、スキーム(手法)に沿って実務が行われています。

M&Aは、会社を買収したり、ある会社の事業部門を吸収したりして会社を統合するため、複雑で難しいイメージがありますが、実務では定型の「スキーム(手法)」に沿って進行していることを理解してください。

そして、M&Aスキームの選択は大変重要です。

会社の現状や期限などの制限事項をきちんと理解したうえで、適切なスキームを選んでください。

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