のれん会計とは?償却の方法や減損、注意点などを解説!

のれん会計

のれんという言葉は耳にしたことはあるけれど、具体的にどういうものなのか気になる方は多いのではないでしょうか。

多くの企業や経営者が直面するのれん償却の複雑さや減損時の対応、それに関連する注意点をわかりやすく解説していきます。

この記事を読むことでのれん会計の基礎から応用まで、この記事一つでしっかりと把握できるようになるでしょう。

知識があると経営判断や投資判断の際にも大きな強みとなります。

のれん会計の壁にぶつかったあなたも、この記事を読めば一歩先に進む確実な手助けとなることをお約束します。

目次

会計上ののれんとは?

のれんとは企業のブランド価値のことであり、会計上は企業の時価評価純資産と買収価額の差額として記載されます。

こちらでは、のれんの意味や由来、負ののれんについて解説します。

のれんの意味

のれんは企業買収時の取得企業の時価評価純資産と支払った買収価額の差を指す言葉です。

この差は企業のブランド価値や将来の収益として現れ、高い収益力を見越した価格が高いとのれんも増えて、時に買収価額が純資産を下回るとこれを負ののれんと言います。

のれんの由来

のれんの語源は商店の入り口にかかる暖簾(のれん)が由来で、暖簾は初めは店の暖かさを保つ布だったのが時と共に商店の名や紋を示すようになりました。

この信用やブランドの概念が、会計ののれんとして用いられるようになったのです。

負ののれんとは?

負ののれんは買収対象の純資産の価値が支払われるM&Aの価格より高い場合のものです。

この現象は買収対象に問題点やリスクがあることを示唆していますが、買収する側には低価格での取得と後の利益として認識される点が大きな特徴となります。

のれん償却の方法

のれんは減価償却を行うことで資産価値を適正に評価できるようになります。こちらではのれん償却期間や償却方法、仕訳などについてポイントをまとめました。

のれんの償却期間

日本の会計規定によれば、のれんは最長で20年以内に償却を完了すべきとされています。

3年や5年といった短い期間で償却することも許容されていますが、高額なのれんを短い期間で償却すると年間の償却額が大きくなって利益計上が難しくなる可能性があります。

そのため、企業の状況やのれんの影響を考慮し適切な償却期間を選ぶことが重要でしょう。

のれんの償却方法

一般的にのれんの償却には定額法が用いられ、この方法では取得額を均等に分割して毎年一定の額を償却します。

例えば500万円ののれんを5年間で償却する場合、年間の償却額は100万円となります。

のれんの仕訳

のれんの計上前にその金額を正確に算定することが求められ、この金額は買収価額から取得企業の時価評価純資産を減算することで算出します。

例えば企業を700万円で買収してそれが各種資産・負債を計算した結果、600万円の価値があった場合のれんは100万円となるわけです。

日本とIFRSでの会計基準の違い

のれんの取り扱いにおいて、日本基準と国際基準(IFRS)は大きく異なります。

日本基準ではのれんは20年以内に償却してその価値が低下した場合には減損を行い、一方IFRSではのれんの償却は行わず、毎年のれんの価値を評価する減損テストが必要です。

このためIFRSではのれんに関する償却の費用が不要となる一方、価値の低下が判明した場合の減損リスクが高まることは少なくありません。

さらに減損テストの頻繁な実施は、実務上の手間が増える点を考慮する必要があります。

のれんの減損

のれんの減損が起こってしまうと、株価の低下や配当金の減少などのリスクが発生する可能性があります。

こちらでは、のれんの減損についてやのれんの減損の仕訳について解説します。

のれんの減損とは?

のれんの減損とは、企業が将来において得るであろう収益の期待値が下方修正される状態を指します。

特にM&Aを通じて計上したのれんの価値が現実の収益として回収が難しくなった場合、この価値を適切に調整する必要があります。

この際の調整は経営会計上では「特別損失」として計上されることが多く、企業にとっては大きな経営リスクともなり得るでしょう。

のれんの減損の仕訳

例としてM&Aを通じて800万円として計上したのれんが後の評価で500万円と判断された場合、この300万円の差異を適切に調整する必要があります。

具体的な仕訳方法としては、借方に減損損失として300万円、貸方にはのれんとして300万円を記録します。

のれんの減損

のれんの減損が起こってしまうと、株価の低下や配当金の減少などのリスクが発生する可能性があります。

こちらではのれんの減損や減損の仕訳について解説します。

のれんの減損とは?

のれんの減損とは、企業が将来において得るであろう収益の期待値が下方修正される状態を指します。

特にM&Aを通じて計上したのれんの価値が現実の収益として回収が難しくなった場合、この価値を適切に調整する必要があります。

この際の調整は経営会計上では特別損失として計上されることが多く、企業にとっては大きな経営リスクともなり得るでしょう。

のれんの減損の仕訳

例としてM&Aを通じて800万円として計上したのれんが後の評価で500万円と判断された場合、この300万円の差異を適切に調整する必要があります。

具体的な仕訳方法としては、借方に減損損失として300万円、貸方にはのれんとして300万円を記録します。

のれん償却のメリット・デメリット

のれん償却は正確な会計処理をするために必要な作業ですが、メリットやデメリットとしては何かあるのでしょうか。一緒にポイントを確認していきましょう。

メリット

のれん償却を行う最大のメリットは、決算書にのれんの価値が永遠ではないことを反映させる能力にあります。

価値低下や必要な減損処理時に、一度に多くの損失を計上するリスクを回避できるのです。

計画通りに進行させることで大きな外れを防ぎ、予期せぬ問題を避ける経営が可能となるでしょう。

さらにのれん償却は減損テストよりも手間が少ないため、事務的な利点もあります。

デメリット

のれん償却の明確なデメリットは、数年にわたってのれん償却費を毎年負担することです。

この償却費は営業利益を減少させ、特に買収した企業の利益がのれん償却費未満の場合、営業利益や利益率が悪化するリスクがあります。

またシナジー効果を期待していたのに、その効果が得られないことも少なくありません。

多くの日本企業は多額のM&Aを考慮してのれん償却を行わない国際財務報告基準(IFRS)を採用していますが、売り手が予想通りの利益を上げない場合、減損処理が必要です。

のれんの注意点

のれん収益力として計上されるのでM&Aを行う際も重要な役割を担っています。こちらでは、のれんの注意点について、ポイントをまとめました。

正確な価格算出が難しい

のれんはブランドの信用やブランド力などの目に見えない価値を数値に変換する作業で、その正確な価格を出すのは容易ではありません。

たとえ高評価のブランドであったとしても、のれん代が高すぎると後に経営困難に陥る可能性も少なくないでしょう。

のれんの価格を計算する際にはブランドや技術、人材、立地条件、顧客データベースなど多くの要因が影響し、通常このような複雑な計算は専門家の助けを借りて行います。

買収価格に大きく影響する

のれんはM&Aの際の取引価格に重要な役割を果たし、取引価格の決定や交渉はM&Aのプロセスの中でも特にデリケートな部分です。

売り手の資産や負債は調査を通じて明らかになるものの、未来の収益やその見込みは売り手と買い手の間での交渉に依存します。

そのため双方の意見が合致しづらく、交渉が困難になることも少なくありません。

多額の減損処理が行われる可能性

のれんには大きな減損処理が生じるリスクが付きまといます。

特に国際的な会計基準を採用している場合、大量ののれんを持つことは大きな損失のリスクを孕んでいる可能性が高まります。

経営が不安定になった場合のれんの影響で企業の評価が急落する可能性があるため、投資家や金融機関との関係にも悪影響を及ぼすことが考えられるでしょう。

まとめ

これまで、会計上ののれんとは何かやのれん償却の方法、のれんの減損やのれん償却のメリット・デメリット、注意点について解説してきました。

買収する会社の無形資産を評価するのれんは、20年以内に償却期間を自由に決められるので、その間にのれん償却方法や期間などを慎重に決めて行うべきです。

償却期間や償却方法を決める際は専門的な知識が必要となるので、必要に合わせて各専門家に意見を積極的に聴いた方が結果スムーズに対処できるのでおすすめです。

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