廃業する会社を買うメリットやデメリット、注意点を解説!

廃業する会社を買うという一見リスキーに思えるこの行動が、実は隠されたビジネスチャンスかもしれません。

経営者として新しい市場や資源を追求する際、既存の会社を購入することで素早くビジネスを拡大したいと思っている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、廃業直前の会社を買収することで得られるメリットや存在するデメリット、そしてその際に最も注意すべき点について全てを包括的に解説します。

この記事を読むことであなたのビジネス戦略に新たな選択肢を加え、経営の効率化を図る手助けとなるでしょう。

今の課題から一歩先を見据えた戦略を立てるための知識を手にするチャンスです。

目次

廃業する会社を買うとは?

廃業とは経営者が自らの意思で会社をたたむことですが、最近は経営者の高齢化やコロナの影響などやむを得ない廃業に追い込まれる企業が少なくありません。

こちらでは、中小企業が廃業する理由や廃業を回避するM&Aについて解説します。

中小企業が廃業する理由

日本の中小企業は、経営者の高齢化や後継者不在に直面しており、驚くことに中小企業が廃業の可能性を感じるおもな原因の4割が経営者の高齢化や体力の低下に起因しています。

さらに60歳以上の経営者の半数以上が廃業を考えていると言われています。

良好な業績を維持しているにも関わらず、後継者の不在や経営の不調、新型コロナの影響などで売上が落ち込んだ結果、廃業を選択せざるを得ない場面が少なくありません。

廃業を回避するM&Aという選択肢

廃業という選択は、単に事業の終わりを意味するだけではありません。

多くの企業はその影響を最小限に抑えるために、M&Aの道を積極的に選択しています。

業績が低迷している中小企業でも、M&Aを活用すれば事業の再生や拡大が十分に期待できるでしょう。

M&Aを進めることで、後継者問題の解決や新しい経営資源の導入などさまざまな新しい可能性を探ることができます。

このようにM&Aを駆使して廃業の危機を乗り越える企業は、今後も増加するでしょう。

廃業する会社を買うメリット

廃業を検討している会社に買収する価値があるのか、不安に思う方も多いのではないでしょうか。赤字や多額の債務による廃業を除けばさまざまなメリットがあります。

こちらでは、中小企業が廃業する理由や廃業を回避するM&Aについて解説します。

交渉がスムーズに進みやすい

会社の売却を考える際に純粋に利益を追求する場合、条件の折り合いが難しいことも少なくありません。

しかし廃業を検討している会社は従業員の雇用や事業継続を重視しており、この観点から見ると交渉は円滑に進むことが期待できます。

実際に事業の存続や職員の未来を重要視するため、双方がスムーズに合意に達するケースが増えています。

素早くに事業開始できる

新しい事業をゼロから始めるのは、費用や時間がかかることが多いでしょう。

しかし廃業しそうな会社を買収すると、取引先や専門の人材、経験やノウハウといった貴重な資源が手に入ります。

これにより新たな事業のスタートが速やかになるだけでなく、早期に収益も見込めることができます。

コスト低減ができる

新規事業の展開は、新しいルートやチャネルの確保にコストがかかります。

しかし廃業の危機にある会社を買収すると、その会社が築き上げた仕入れルートや販売チャネルを引き継ぐことでコストを大幅に削減することができます。

自らの力で事業をスタートさせるより、収益化がグッと早まることが期待されるでしょう。

節税ができる

赤字が続く会社は繰越欠損金が発生している場合が多いです。

この会社を買収することでその繰越欠損金を利用して節税するチャンスがありますが、以下の3つのポイントに注意が必要です。

一つは売り手と買い手が同じ業種であることで、二つ目は両社の規模が大きく異ならないこと、最後に買収後も事業を続けることが求められるでしょう。

廃業する会社を買うデメリット

廃業を検討している会社を買うメリットはいくつかありますが、同時に注意するべきデメリットも存在します。

こちらでは、廃業する会社を買うデメリットについて以下にまとめました。

簿外債務の可能性

廃業を目指している会社が一見安定しているようにも見えますが、中には財務の隠れた落とし穴があることが少なくありません。

例えば公表されていない債務や未払いの賞与、退職金などの簿外債務が存在する場合があります。

これらの債務は新しいオーナーにも影響するため、事前に専門家と共に徹底的な財務調査を行うことが欠かせません。

従業員や取引先離れのリスク

廃業ぎりぎりの会社を購入する際は既存の従業員や取引先の継続はメリットともされます。

しかし経営方針の変更や新しい事業戦略に対する理解が不足していると、大切な人材や取引先が離れてしまう危険性が高まります。

したがってスムーズなトランジションのためには、すべての関係者へのきちんとした説明やコミュニケーションが不可欠でしょう。

役員や従業員との衝突

会社の買収や統合は、従業員間の対立や衝突を引き起こすことが少なくありません。

特に廃業寸前の会社の従業員は会社やその文化に強い繋がりを感じていることが多いため、新しい経営陣や従業員との価値観の違いから対立が生まれる可能性が高いです。

そのため経営層は従業員の心のケアを怠らず、新旧の関係者間での円滑なコミュニケーションを重視する必要があるでしょう。

短期間では利益が出ない

廃業を考えている会社を買うメリットのひとつに短期間での収益化が期待されますが、事業の問題点を的確に把握して適切に対処しないと、早期の収益化は難しいでしょう。

経営困難な理由をしっかりと理解してそれを解消する努力が欠かせないのです。

特に赤字の背景を十分に分析せずに購入すると、予想以上の時間と資金が必要になることが考えられるので注意が必要です。

廃業する会社を買う方法

廃業する会社を買う際の手法については、会社や事業の取得方法などによっていくつかの方法が考えられます。こちらでは、廃業する会社を買う方法について解説します。

株式譲渡

会社の株式を購入することでその会社の経営権を取得する方法として、株式譲渡は廃業する会社の取得に特によく使用されます。

手法としては市場買付けやTOB、相対取引などが挙げられ、その選択は会社の状態に依存する所が大きいでしょう。

経営陣の変更がある場合でも既存の従業員や取引先は通常、そのまま引き継がれるメリットがあります。

事業譲渡

事業譲渡とは、特定の事業に関わる資産を選び取得する手法で、この方法を採用することで不要な資産や簿外債務を避けることが可能となります。

ただし取得後に新しい雇用契約や取引先との契約を再締結することや、新たな許可の申請などが必要となる場合がある点は注意が必要でしょう。

会社分割

会社分割は特定の事業部門を別の新しい会社へと移転させる方法であり、一般的に廃業する会社の取得にはあまり多く採用される方法ではありません。

おもな形態としては吸収分割や新設分割があり、事業に関連する権利や義務が移転先へと包括的に移されます。

この手法には会社法上の手続きが伴うことが多く、計画的に行う必要があります。

廃業する会社を買う際のポイント

失敗をしないように廃業する会社を買うにはいくつか抑えるべきポイントがあります。こちらでは、廃業する会社を買う際のおもなポイントをまとめました。

廃業目的が明確か

廃業を考えている会社の背後にある理由を深く知ることは非常に重要です。

例えば後継者が不在での廃業や経営が赤字となり整理を望む場合など、理由によって取るべき対応が大きく異なります。

何らかの理由で詳細を公開したがらない企業は他にも問題を抱えている可能性があるため、その真の理由をしっかりと理解することが買収を考える際の基本となるでしょう。

財務状況は健全か

廃業を検討している多くの企業は、財務管理において不備や問題を持っているケースが頻発します。

例えば簿外債務や個人との資産の混在といったリスクが考えられ、これらの問題点は買収後の経営を困難にさせる大きなリスク要因となるかもしれません。

よって、専門家の意見を取り入れながら徹底的な調査を進めることが必須です。

簿外債務の有無を調査する

債務超過という状態は、企業の財務における非常に大きなリスクを示しています。

負債の総額が多くその結果としてM&Aの市場に出てくる企業は、新たな買い手にそのリスクを引き継ぐことをおもな目的としています。

購入価格が安くなる魅力はあるものの、将来の経営リスクも高まるため十分な注意が必要となるでしょう。

まとめ

これまで廃業する会社を買うのはどういうことかや廃業する会社を買うメリット・デメリット、廃業する会社を買う方法や購入時のポイントについて解説してきました。

廃業する会社を買う際は、廃業に至る背景や財務状況をしっかりと調査することが重要になってきます。

しかし社内だけでは各方面の専門的なノウハウを一から把握するのは効率が悪いので、なるべく早い段階で各専門家の意見を聴きながら対応したほうがスムーズに進むでしょう。

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