赤字でも事業を承継するには?債務超過の企業の事業承継法を徹底解説!

事業承継を考えているけど、赤字が続いている状況で本当に承継できるのか、そんな疑問をお持ちのみなさんも多いのではないでしょうか。

事業承継は赤字の企業でも十分可能ですが、その方法を知らなければチャンスを逸してしまうかもしれません。

この記事では債務超過の企業でも安全かつスムーズに事業を承継する方法について具体的な手法、注意点、成功のためのポイントも盛り込んで徹底的に解説します。

この記事を読めば、承継に向けた明確なビジョンや行動計画を持つことができるでしょう。

赤字でも未来へのバトンタッチは可能なので、この記事とともに歩み出しましょう!

目次

事業が赤字の状態とは?

一般的に赤字の状態とは、支出が収入を上回って利益がマイナスの状態を指し示すと思われています。

こちらでは事業が赤字の状態について、債務超過との違いにも触れながら以下にポイントをまとめてみました。

事業の赤字と債務超過の違い

債務超過と赤字はどちらもビジネスの健康状態に問題があることを示唆していますが、実はこの二つは異なる部分で発生する問題を指しています。

赤字は経営活動の中での収支バランスを示すもので、特定の期間内に収入が支出を下回った場合に生じ、収支状態は損益計算書にて確認できます。

一方債務超過は企業の資産が負債を超えた状態を示すもので、これは貸借対照表で確認ができ、赤字が積み重なることで債務超過へと繋がることも少なくありません。

具体的には創業時に資産・負債が0だった会社が1年後に1,000万円の赤字を計上すれば、この額が債務超過として現れます。

このように、赤字の継続は債務超過を増加させる要因となるのです。

事業が赤字の状態でも、事業承継は可能

事業が赤字の状況でも、その事業は後継者へと承継することが実際には可能です。

もちろん赤字状況を引き継ぐことは、新たな経営者にとって厳しいスタートを意味するので、事業承継を考える際には将来の成果や黒字化の可能性を見極めることが大切です。

赤字の事業を引き継ぐことは困難が予想されますが、未来の見込みが明るければ承継する意義は十分にあるでしょう。

実際現在の経営状態が赤字や債務超過であっても、適切な経営戦略と後継者の努力によって、事業は黒字化することが期待できます。

事業承継を成功させるためのキーは、次世代の経営者をしっかりと育てて赤字の解消に向けた取り組みを共に進めることが重要になります。

赤字(債務超過)で事業承継を行う際は債務解消が必須

債務超過の会社も事業承継をすることは可能ですが後継者にとってはデメリットでしかないので、円滑な事業承継を進めるには今抱えている債務の解消は必須事項です。

こちらでは、債務超過を解消するための方法についていくつかご紹介します。

利益向上

利益を増加させることは赤字対策の最も直接的な方法で、遊休資産の売却や売上原価、人件費の削減、さらに取引先の選定基準の再評価など無駄の排除が含まれます。

さらにPRやマーケティング、人材の育成といった会社の全体的な価値を高める策も考慮するべきでしょう。

また多くの中小企業はDXが遅れているため、ITツールやクラウドサービスの導入で生産性を高められますが、完全に債務超過を解消するには時間がかかる可能性があります。

債務免除

債務免除は返済の義務から解放される手法で、これには役員からの借入金の免除や外部債権者からの返済義務の免除などが含まれます。

この方法は純資産の増加につながりますが、債務超過の原因を根本的に解消するものではありません。

また金融機関が簡単に債務免除を承認することは稀で、法人税の課税の可能性も考慮する必要があります。

増資

増資は資本を直接増やすアプローチで、これには経営者の自己投資や外部投資家からの出資が考えられます。

純資産が増えることで負債が減少しますが、増資が事業の根本的な問題を解消するわけではないため慎重な検討が必要となるでしょう。

DES

DESは債権者が企業の株を取得して債務を株式に変える手法で、これにより企業は返済義務を軽減し自己資本比率も向上します。

ただしこの手法には、新しい大株主の影響や税負担の増加などのデメリットもあります。

役員借入金の返済

役員報酬の抑制は、資金の再配分の手段として利用され、この方法を利用することで税金の軽減や経営資源の有効活用が期待できます。

役員の報酬を減らすことで、節約された資金を他の事業活動に投じることができます。

事業承継の種類について

事業承継によく用いられる手法として、株式譲渡や事業譲渡があります。こちらでは株式譲渡と事業譲渡の違いについて、そのポイントを解説します。

株式譲渡

株式譲渡はある会社の株主が自らが保有する株式を他の会社や個人に渡す行為を指し、これは会社のオーナーシップを変更する方法のひとつとなります。

例えば、株の大部分を他者に渡すことで会社の経営権まで変わってしまうこともあります。

特に中小企業の世界では、株式譲渡を活用して事業の承継や後継者不在の問題を解決するケースが増えてきました。

またM&Aの際にもこの方法が多く使われるため、ビジネスの現場での重要性は高まっています。

事業譲渡

事業譲渡とは、文字通り会社が行っている事業を全部もしくは一部を他の会社に譲ることを言います。

この方法は営業譲渡とも呼ばれ、事業の一部を他社に渡す一部譲渡や事業全体を他社に移す全部譲渡の2つのパターンに分かれます。

この時事業とは具体的な商品やサービスだけを指すわけではありません。人材や技術、ブランド、取引関係など、事業を成り立たせるさまざまな要素が含まれます。

事業譲渡はこれらの要素を組み合わせて選択的に承継することが特徴となっており、これによって双方の企業がより効果的な経営を実現することが期待されるでしょう。

事業承継の流れ

事業承継を実際に行おうかと思った際に、手続きなどの具体的な流れが分からない方も多いのではないでしょうか。

こちらでは、事業承継の流れについて順を追って説明していきます。

現状認識

事業承継のスタートラインは現状認識で、これは会社の今の状態を正確に捉えることを意味します。

重要なのは会社の資源や経営者の健康や資産状況、そして後継者候補の現状などを明確に知ることで、相続に伴う予想される課題も早めに把握しておくべきでしょう。

事業承継の方法と後継者の選定

現状が明らかになったら、次はどう承継するかの戦略を練る時間になります。

選択肢としては親族への承継や社内の役員や従業員への承継、またはM&Aといった手法が考えられるでしょう。

これらの中から最適な方法を選び、それに適した後継者を見極めるのがポイントです。

事業承継計画の立案

具体的な課題を把握したら次は事業承継計画の策定の段階となり、これには短期的な対策から中長期的な策までさまざまあります。

事業承継の準備にどれくらいの時間を割くのかや経営権の移譲時期や昇進計画など、具体的な手順を時系列で計画することが大切になるでしょう。

引き継ぎの実施

後継者が決まったら、事業承継計画に基づき名義変更や後継者教育を始めます。

有形・無形資産を移転して経営権を後継者に移すことで承継が完了します。M&Aの場合は「PMI」手法を用いて経営体制や業務システムの統一や評価制度の調整を行う。

まとめ

これまで赤字と債務超過の違いや事業が赤字でも事業承継は可能であること、赤字での事業承継の際は債務解消が必須であることや事業承継の種類や流れについて解説してきました。

企業が債務超過の場合の事業承継は決して簡単ではありませんが、しっかりと対策を取れば実行可能です。

ただ企業ごとにやり方は千差万別だったり通常の企業より早めに対応する必要があるため、なるべく専門家に相談することをおすすめします。

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