サラリーマンが会社を買う方法|メリットやデメリットを解説
「会社を買う(M&A)」とは、企業や資本家が行うもの、というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし昨今では、サラリーマンや個人事業主が、副業や起業をするための手段として会社を買うケースが増えています。
本記事では、サラリーマンが会社を買う方法や、会社を買う際のメリット・デメリットを解説します。メリットとデメリットを理解していないと、せっかく買った会社を軌道に乗せることができない場合があるので、注意が必要です。
会社購入に興味があるサラリーマンの方は、ぜひ最後までご覧ください。
サラリーマンが会社を買う方法
サラリーマンが会社を購入するのは、ほとんどの場合、いわゆる「買収目的」ではありません。事業拡大や資産を増やすために購入したり、後継者や経営難に悩む会社を購入したりするのが主な理由のようです。
理由はさまざまですが、会社を買う方法は企業も個人も同じで、主に下記のような方法があります。
- 仲介会社に依頼する
- 金融企業に相談する
- M&Aのマッチングサイトを利用する
仲介会社に依頼する
仲介会社に依頼する方法は、初心者にもおすすめの買い方です。専門家が売り手と買い手の仲介者として、手助けをしてくれます。
初めての場合でも、専門家がアドバイスをしてくれるので安心して任せられるでしょう。
金融企業に相談する
ほとんどの銀行や信用金庫には事業継承のための相談窓口があります。専門性は仲介会社には劣りますが、よく利用する銀行や信用金庫であれば相談のハードルを下げられるでしょう。
マッチングサイトを利用する
近年では、マッチングサイトが普及しており、手軽に会社の売買が行えるようになりました。
マッチングサイトに自分の希望を入力するだけで、適切な会社を検索できます。
仲介手数料は、専門の仲介会社に比べ低い傾向にあるので、少しでも費用を抑えたい場合におすすめです。
サラリーマンが会社を買うメリット
サラリーマンが会社を買う主なメリットは、以下の3つです。
- 起業や新規事業の立ち上げの手間を省ける
- 資産を増やせる
- 経営を学べる
起業や新規事業の立ち上げの手間を省ける
会社を起こすとなると、多くの時間と費用、手間がかかります。すでにある会社を買えば、手間が省けたり、費用を抑えられるでしょう。
会社を買うことで、会社だけでなく、取引先や顧客を引き継ぐこともできます。
会社を買うためのコストや時間はかかりますが、起業よりも大幅に手間を省けるのは大きなメリットです。
資産を増やせる
すでに利益がある会社を買収した場合、役員報酬を得られます。十分な利益を得ている会社の役員報酬であれば、サラリーマンの収入を超える可能性もあるでしょう。
会社を拡大させ、より多くの収益をだせるようになったら、売却するのも一つの手です。購入時より高額で売却できれば資産が増えます。
売却する場合、純資産や営業利益などを考える必要があり、単に「購入金額より高く売ればいい」というものではないので注意してください。
経営を学べる
起業したいと考えている方にとって、本やセミナーで学ぶよりも実際に会社を経営する方が勉強になるでしょう。
すでにある会社を経営するのでリスクもありますが、ある程度軌道に乗っていれば実践で学べる良い機会になります。
サラリーマンが会社を買うデメリット
会社を買うにはデメリットもあります。悪い面にもしっかりと目を向け、リスクを理解した上で会社を購入することが大切です。
サラリーマンが会社を買うデメリットはいくつか挙げられますが、主なデメリットは「借金を抱えるリスク」です。
購入した会社が借金を抱えていたり、経理帳簿に記載されていない借金や負債である「簿外債務」がある可能性もあります。
購入時には収益があった会社でも、購入後に経営難に陥り、多額の借金を負う場合もあるでしょう。
サラリーマンが会社を買う流れ
会社を買うための流れを下記に紹介します。
- 予算を決める
- 会社を買う方法を選ぶ
- 購入する会社を選ぶ
- 秘密保持契約を結ぶ
- 買収先との条件交渉
- 基本合意書の締結
- 買収先の調査の実施
- 契約書の締結
予算を決める
会社を買うための予算を決めます。仲介会社やマッチングサイトの手数料も含めて考えておきましょう。
会社を買う方法を選ぶ
予算を決めたら、会社を買う方法を決めます。手軽に探せるマッチングサイトや専門家がいる仲介会社がおすすめです。
購入する会社を選ぶ
自分の条件に合っているか、妥協せずに決めるのが大切です。
仲介会社に依頼している場合も、条件に合う会社が見つかるまで探してもらいましょう。
秘密保持契約を結ぶ
候補が決まったら、先方の意思を確認し、秘密保持契約を締結します。双方の意思が確認されるまでは、相手の社名や経営状況等は明かされません。秘密保持契約を結ぶと相手会社の情報を得られます。
買収先との条件交渉
公開された企業情報に問題がなければ、買収先との交渉開始です。買収金額や従業員の雇用、取引先・顧客との契約などについて交渉していきます。仲介会社に依頼していれば、代行してくれることがほとんどです。
条件交渉とは別に、買収先の経営者との「トップ面談」をします。トップ面談では、経営方針や今後のビジョン、社風などを確認してください。
基本合意書の締結
条件交渉とトップ面談で問題がなければ、基本合意書を締結します。基本合意書には、法的拘束力はありません。会社購入に向けた、基本的な方向性が決まったという意味の合意書です。
買収先の調査の実施
買収先の会社に対して価値やリスクを調査することを、「デューデリジェンス」と呼びます。
財務や税務、法務等様々な面から会社を調査し、簿外債務がないか、今後の経営に大きな問題がないかを確認します。各種の専門知識が必要なので、買収後のリスクを下げるためにも専門家に依頼して実施したほうが良いでしょう。
契約書の締結
企業調査で大きな問題が無ければ、最後の交渉をして、最終的な契約をします。株式譲渡契約書や表明保証などの契約書を締結したら、クロージングを実施して買収の完了です。
クロージングとは、契約書に記載されている内容を履行することで、買収金額の支払いや名簿の書き換え、許認可の手続き等が該当します。
サラリーマンが会社を買って成功させるコツ
サラリーマンが会社を買って成功させるコツを3つ紹介しますので参考にしてください。
- 会社を買う前に、買収先の会社で実際に働いてみる
- 買収先の従業員や取引先、会社理念を知る
- 経営者であるという意識をもつ
買収先の会社で働いてみる/従業員や取引先、会社理念を知る
買収予定の会社について学ぶには、実際に会社で働いてみるのが良いでしょう。会社理念や従業員、取引先をあらかじめ知っていれば、経営者となったあとも反発が少なく、スムーズに関係を構築できる可能性が高くなります。
円滑に買収を進めるためにも、実際に働いてみるのは有効な手段でしょう。
経営者であるという意識をもつ
会社を購入し、経営者となったからには自分の言動や思考の影響度を考えなければなりません。
自分の発言や考えが会社の方針に大きな影響を与えます。経営者として、会社を守っていくという強い意思と、すべての責任を負う覚悟を持つことが大切です。
300〜500万で買える会社を探す方法
300~500万円での売買は規模が小さいことから、マイクロM&Aと呼ばれています。
売却価格が500万円以下の会社を探すには、マッチングサイトがおすすめです。事業を始めやすい飲食店やエステサロン、塾などが多く登録されています。
マッチングサイトの魅力
マッチングサイトの魅力は、登録の手軽さと手数料が安いところにあるでしょう。
仲介会社に依頼すると数百万の手数料が発生する場合でも、マッチングサイトなら数十万の可能性があります。
売り手側も仲介手数料の費用を抑えられ、仲介会社に依頼する手間も省けるためマッチングサイトに登録する会社が増えています。
まとめ
本記事では、以下の内容を紹介しました。
- 会社購入を検討しているならマッチングサイトか専門の仲介会社がおすすめ
- 主なメリットは起業の手間が省けること、デメリットは負債を抱えるリスクがあること
- 買収成功のコツは、買収先の会社についてよく知ること
- 300~500万の会社購入ならマッチングサイトで探すのがおすすめ
インターネットやマッチングサイトが普及している今、サラリーマンが会社を買うハードルはぐんと下がっています。
後継者に悩む会社や経営難に悩む会社を、サラリーマンが救える可能性があるのが企業買収です。
買収というと、あまりよくないイメージを持たれる場合もありますが、実際は企業の可能性を広げる前向きな手段です。
今後はサラリーマンによる会社購入が増え、日本企業が活発化していく未来が予想されます。